水泳のクロール時の水圧は約13気圧ある

大半の腕時計には防水機能がついていますが、
その防水機能について一言。

腕時計には、非防水、3気圧、5気圧、10気圧、20気圧と
色々防水性能の違いはありますが、皆様水道の蛇口の
水圧って、何気圧あるかご存知でしょうか？
ザーッと出ている時の水の勢いは、約7気圧。水泳でクロールや平泳ぎの時に手で水をかきますが、このときの水圧は約13気圧と言われています。

お客様の中には「20気圧という事は、200ｍでしょ。そんなに潜らないから大丈夫。」とおっしゃる方もいますが、
腕時計の防水基準はまったく水流のない容器の中に時計を沈めて、徐々に圧力をかけて検査します。

水中で腕時計を振り回したりすると、かなりの圧力がかかるのです。わざわざそんなことをする人はいないと思いますが。

これを踏まえて、

■非防水の時計...
この腕時計は裏蓋がプラスチック製で爪などで簡単に開くようなおもちゃの時計です。まったく防水機能はありません。水や湿気には気をつけて下さい。

■3〜5気圧防水の時計...
ほとんどのファッションウォッチやビジネスウォッチがこれに該当します。文字盤や裏蓋に30ｍ（3ＢＡＲ）とか50ｍ（5ＢＡＲ）とかいてあります。これらの時計は日常生活防水と言いまして、
「手を洗う時に水しぶきがかかる」「汗がつく」「雨がかかる」この程度ならＯＫ。

■10気圧防水...
この腕時計は洗い物などの少々の水仕事や、軽い水遊び程度ならまず問題なし。

■20気圧以上ある防水時計...
この時計はいわゆるスポーツウォッチやダイバーウォッチと呼ばれるものですので、マリンスポーツや本格的なダイビングにも耐えられます。

よくある質問コーナーでも書かせてもらってますが、あくまでも常温の水に対する防水ですので、お湯や氷水などは時計内部の機械にダメージを与えますから気をつけて。

ちなみに海外モデルのＧ-ショックは200ｍ、国内モデルには20ＢＡＲと表記されています。
高級ブランドウォッチの中には300ｍ防水、600ｍ防水、1220ｍ防水、2000ｍ防水などのツワモノもあります。
もちろん非常に高額になりますが、私が知っている中で思わずウ〜ンとうなったのは、エルジンのディープダイバーというモデルで、なんと8000ｍ防水！時計内部に特殊なシリコンオイルが注入されていてなんと文字盤の表面にもオイルがびっしり詰まっており、オイルの中を針が動いている感じです。確か価格は4万円前後だったような…。まだ売っているのでしょうか。どう考えてもオーバースペックですよね。

　ダイバーウォッチには3つの定義がある

マリンスポーツの定番ダイビング。されたことありますか？私は20代の頃2回、いわゆる体験ダイビングをしたことがあります。人生観が変わるくらい神秘的な世界を体感しました。

普段地上で生活していると、（当たり前ですが）地面に向かって引力が働いていますが、海の中では体がふわふわと無重力状態です。
そういえば、ＮＡＳＡでも宇宙飛行士の訓練にダイビングを取り入れていますね。
また機会があればやってみたいです。

前置きはそのくらいにして、そのダイビングに欠かせないのがダイバーウォッチ。
酸素タンクやレギュレーター浮力調整具などダイビングに不可欠な道具はいろいろありますが、
腕時計もかなり重要なアイテムのひとつです。

まず、どういう腕時計がダイバーウォッチなのか・・・絶対に必要な要素が3点あります。

【1】　防水である（当然です！）しかも200ｍ（20気圧）以上の防水。
【2】　逆回転防止べゼルが付いている。
【3】　夜光塗料がインデックスや針に付いている。すなわち視認性が高い。

以上3点のひとつでも欠けていたら、それはダイバーウォッチとはいえないでしょう。
【2】のべゼルとは、時計本体のガラスのまわりにはまっている金属（プラスチック）の輪っかのことで、モデルによってギザギザだったり、つるんとしてたりと色々なデザインがあります。大半のダイバーウォッチのベゼルのデザインは5分置きに刻みが入っていたり、数字が入っていたりします。そしてそのベゼルがカリカリと左回り（時計と逆まわり）に回ります。絶対に右に回ってはいけません！逆回転の”逆”とは右回りの事です。

使い方としては、例えば背中に背負っている酸素タンクの持ち時間が40分だとします。
長針がぴったり12の位置にあれば40分は分かりやすいのですが、そんなにうまく毎回正時にダイビングしませんよね。そこで今から潜りますよって時にベゼルの12時位置をカリカリっと長針が指してるところまで回すわけです。すると、ベゼルに刻んである40のところに長針がくるまでタンクの酸素があるので40まで潜ってられるという事です。

これがなぜ左回りにしか回らないかというと、もし潜っている最中にゴム手袋やウェットスーツにベゼルが触れてしまい、カリカリっと10分ずれたとします。左回りにしか回らなかったら、潜っていられる時間が10分短縮されるだけで、タンクにはまだ酸素が10分分残ったまま海上に上がることとなりますが、もし右に10分ずれてしまったら、タンクにはまだ酸素の残量がないのに「あと10分酸素があるからまだ大丈夫」と思い込み、酸素切れとなってしまうのです。命にかかわる非常に危険な事ですので、そのようなどちらにも回るベゼルの場合はダイバーウォッチとは言えませんので気を付けてください。

お客様の中には「ダイビングなんかしないから、ベゼルが回っても意味ないし！」という方もいらっしゃいますが、普段の生活においてもよい使い方があります。カップラーメンの3分間を測る。昼休みの1時間を測る。
など、ストップウォッチの代わりに使うことが出来ます。

【3】の視認性ですが、抜群の晴天にセブ島やカリブ海や沖縄などの透明度が高い海で10数メートルのダイビングなら問題ないのですが、曇天で透明度が低かったり（ちなみに視界が悪いにごった海水の事を味噌汁状態といいます）、15〜20ｍ以上のダイブとなると想像以上に暗いです。心細いです。そんな時、時計に目をやると・・・真っ暗で見えない！最悪です。潜ったばかりなのにあわてて上がったりしてしまいます。暗いところでも夜光塗料がピカピカ光る時計をお奨めします。

　スポーツ中にボールを打ち損ねると手が痺れるが、時計も痺れる

皆様スポーツをされる時、腕時計をしたままプレーされますか？
ゴルフや野球などインパクトの瞬間は腕時計にも相当の衝撃がきます。
ましてや芯を外したりすると手がビリビリ痺れたりしますよね。

それは時計にとっても過酷なことです。
特に天真（時計内部の部品）がずれてしまったり折れたりしたら、修理代も非常に高くつきます。
何しろパーツが細かいので衝撃には気をつけて下さい。

サッカーやバスケット、ラグビー等接触プレーが多いスポーツは怪我の元ですので、腕時計は外してプレーしたほうがいいでしょう。マラソンなどはタイムを計るのに必要な場合がありますが、やっぱりスポーツは時間を忘れてプレーに没頭したいものです。だって、普段時間に追われる生活から、一時でも開放される為にスポーツで汗を流すのですから。